ふるさと納税で名を馳せる平戸の強み 黒田成彦平戸市長インタビュー 〔転載〕

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ふるさと納税で名を馳せる平戸の強み

黒田成彦平戸市長インタビュー





ふるさと納税で名を馳せる平戸の強み(前) 2014年11月28日13:21
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/11/24106/1128_dm1718_01/


 長崎県平戸市は11年26日現在で、「ふるさと納税」の寄付申込金額が7億円を超えたと発表した。すでに今年度、飛躍的な伸びを見せ、全国トップクラスの寄付額が見込まれることから、注目を集めているが、はたして、その成果を生み出した工夫、アイディアとは一体どのようなものなのか。今回、黒田成彦平戸市長に単独インタビューを行った。人口減少と高齢化という重い課題が多くの地方自治体にのしかかる今、地方再生のヒントを探る。



ふるさと納税で名を馳せる平戸の強み(中) 2014年12月1日15:23
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/12/24293/1201_dm1718_02/

 季節の旬の食材をパッケージにした地域ブランドを売り出す物産戦略を、11月26日現在で7億円を超える「ふるさと納税」の寄付申込金額につなげた長崎県平戸市。今回は、黒田成彦平戸市長に、物産戦略における成功の波及効果や、平戸活性化のための広報戦略などについて話をうかがった。



ふるさと納税で名を馳せる平戸の強み(後) 2014年12月3日16:01
http://www.data-max.co.jp/politics_and_society/2014/12/24501/1203_dm1718_03/

 人口減少という課題に対して、物産戦略、ふるさと納税における成果をどうつなげていくのか。今回のインタビューの最後では、現在、平戸市で取り組んでいる景気循環・産業振興の仕組みづくりについて、黒田成彦市長に話をうかがった。



NETIB-NEWS より転載
http://www.data-max.co.jp/





関連リンク

「やらんば!平戸」応援寄付金
長崎県平戸市
ふるさと納税特設サイト
http://furusato-hirado.jp/index.html

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ふるさと納税で名を馳せる平戸の強み(前)
  黒田成彦平戸市長インタビュー

|行政 2014年11月28日13:21



 長崎県平戸市は11年26日現在で、「ふるさと納税」の寄付申込金額が7億円を超えたと発表した。すでに今年度、飛躍的な伸びを見せ、全国トップクラスの寄付額が見込まれることから、注目を集めているが、はたして、その成果を生み出した工夫、アイディアとは一体どのようなものなのか。今回、黒田成彦平戸市長に単独インタビューを行った。人口減少と高齢化という重い課題が多くの地方自治体にのしかかる今、地方再生のヒントを探る。


 ——ふるさと納税で全国トップクラスとされる金額を集めていることで注目されていますが、どのような工夫をされたのですか。

黒田 成彦 平戸市長 黒田成彦平戸市長(以下、黒田市長) ふるさと納税はご承知の通り、国の施策に基づく事業展開で、全国各地の自治体で行われています。今回、平戸市が飛躍的な伸びを示すことができた背景は、物産戦略が根付いたことです。

 平戸の物産は、全国的なブランドを構築するような特産品化がなされていません。つまり、時間的な制約、量的な制約があって、年がら年中、同じ物を定量的に供給できるものがありません。そこが物産戦略として一番のアキレス腱でした。要するに、種類が多くて季節限定なものばかり。それを季節ごとに売っていこうと転換しました。「この季節は、これが美味しいですよ。次の季節はこれですよ」と、年間通じて、美味しいものがたくさん食べれるという地域ブランド戦略に変えたのです。「◯◯と言えば平戸」ではなく「平戸と言えば◯◯」というように。
 具体的には、産直市場(平戸瀬戸市場)を開設して、そこに平戸のものを全部集約し、季節ごとに変えて売っていく。そうすればお客さんは飽きませんよね。品揃えが変わることでリピーターを増やしていくことと季節のものを市場に持ち込めば売れるという、6次産業的な生産者の所得向上につながる物産戦略が実現できる産直市場を作りました。

 そうすると当然、そこでギフト化ができます。ギフトだと、「違う種類を組み合わせて5,000円」というものもできます。それが「冬ギフト」、「夏ギフト」というものです。それをいろいろな組み合わせでラインナップを作り、83種類にまでいきました。平戸の場合、ふるさと納税の飛躍的な展開は、この83メニューという商品の数だと思います。しかも、商品の組み合せ以外に時間軸も入れて、たとえば「2月から12月の偶数月にお届けします」というコース。そして、プレミアムで年に4回、平戸を代表するグルメの食べ方もセットで送ります。「旬鮮便で毎月送ります」というやり方もできます。そのほか、旅行商品のオーダーメイド、花粉症の時のセラピーツアー、ウェディングや金婚式の写真撮影などを合わせて83メニューとなっています。

 ——それだけメニューが揃えられる平戸はすごいですね。

 黒田市長 これだけメニューがあっても季節ごとに切れていたからブランドができなかったんです。今の物産戦略は逆説的でしょ。「高知と言えばカツオ」ということが平戸ではできなかった。何でもありすぎて絞れなかったんです。それを逆手にとって「季節ごとにあります」という風に変えていったんです。

 ——物産戦略の取り組みとしてはいつ頃から始められたのですか。

 黒田市長 私が着任してすぐ、5年前からやってきました。産直市場が完成したのは3年前です。

 ——つまり、着任前からその構想を抱いていたと。

 黒田市長 物産戦略はですね。ふるさと納税の83メニューについては、担当する企画課の市職員である黒瀬啓介君が、「物産戦略に乗っかって、これをカタログ化し、インターネットとリンクし、ふるさと納税に使います」との提案がありました。そこから先は彼の力量です。加えて、いかにテレビ、新聞、雑誌で紹介されるかにかかっていますから、メディア戦略に力を入れました。

 ——今後、ふるさと納税の収入が定着し、見込めるようになってくると思いますが。

 黒田市長 そうですね。今、ブームもあり、前年度高い実績を示した地区は、今年度も同様に高い伸びを見せています。それに刺激を受けた他の自治体も、いろいろな展開をしていくでしょうから、そのなかで飽きられないように、さらにリピート効果をもたらすように工夫を重ねています。たとえば、独自の特設サイトを開設するとか(11月10日開設)。寄付によって得られたポイントを、寄付者がどのように配分していくかという楽しみをサイト内で体験できるように構築しています。寄付してお返しが来たという一過性のやり取りではなく、ポイントを貯めることによって平戸とのつながりをもっと幅広くとらえていただけるような仕組みを作っています。

(つづく)

【聞き手・文:山下 康太】







ふるさと納税で名を馳せる平戸の強み(中)
  黒田成彦平戸市長インタビュー

|行政 2014年12月1日15:23



 季節の旬の食材をパッケージにした地域ブランドを売り出す物産戦略を、11月26日現在で7億円を超える「ふるさと納税」の寄付申込金額につなげた長崎県平戸市。今回は、黒田成彦平戸市長に、物産戦略における成功の波及効果や、平戸活性化のための広報戦略などについて話をうかがった。

 ――ふるさと納税の広報戦略は観光客の増加にもつながっているのではないでしょうか。

 黒田市長 それは、これからだと思いますが、もともと観光客は増えてきています。私が平戸市長に着任した当時(2009年)は、年間160万人と言われていましたが、今、177万人に増えています。これは、ふるさと納税や物産戦略のみならず、旅行会社の招聘事業など営業活動をやってきたからです。俳優の高倉健さんがお亡くなりになられましたが、主演映画「あなたへ」(12年8月公開)のロケ地になったことも含めて、複合的に平戸が取り上げられることが増えてきましたし、今般、世界遺産の候補になっている「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の13の構成資産のうち2つが平戸にあります。平戸市の基幹産業は第一次産業と観光業であり、ここをたくましくすることが市民の所得向上と地域活性化につながるという信念でやってきています。

 ――近年、多くの自治体が人口減少という課題を抱えています。平戸市も婚活イベントに取り組まれていますね。女性の参加者は市外の方限定となっていますが、婚活イベントを含めてどのような呼びかけをされているのですか。

 黒田市長 平戸市の合計特殊出生率2.4は長崎県第2位です。平戸で結婚し生活してくださっている方は、子どもを育てやすい地域との評価をいただいています。問題は、結婚してくださるかどうかなんです。仕事に専念するあまり、婚期を逃したという方もいます。ですから、婚活をしっかりサポートし、出会いづくりをやっていきます。婚活イベントは地域づくり協議会、商工会議所青年部の方たちが積極的に取り組んでおられますが、一方、市では口コミやSNSで平戸の観光を発信していただく『平戸観光応援隊』を募集しており、現在、集まっている約1,700人のうち大半が市外の人です。

 ――ソフト面でさまざまな働きかけをされていますが、今、市民の方たちの意識はどうでしょうか。

 黒田市長 前から平戸というのは城下町であり、海外貿易で栄えてきたという歴史があります。そして、橋がかかっていなかった時代は、団体の観光客がフェリーで大勢やって来て栄えたという成功体験があり、とくに60代以上の方には、「夢よ、もう1度」という思いがあります。しかし、その成功体験は細やかな努力をしなくても、その時のブーム(高度経済成長など)に乗っかっていればいいというものです。残念ながら、それは衰退の原因でもありますから、当事者意識を持って、もっと積極的に関わってほしいという呼びかけをしております。
 一方、私よりも若い世代は、ものすごい危機感を持っています。そして、親御さんたちが自分の子どもを地元に呼び戻し、一緒にやっているところは成功されています。行政に負けずに一生懸命やろうというところは、飛躍的に伸びていますね。

(つづく)

【聞き手・文:山下 康太】






ふるさと納税で名を馳せる平戸の強み(後)
  黒田成彦平戸市長インタビュー

|行政 2014年12月3日16:01



 人口減少という課題に対して、物産戦略、ふるさと納税における成果をどうつなげていくのか。今回のインタビューの最後では、現在、平戸市で取り組んでいる景気循環・産業振興の仕組みづくりについて、黒田成彦市長に話をうかがった。

 ——ふるさと納税で全国トップクラスの寄付申込額を集めている物産戦略が、景気浮揚の大きなチャンスをもたらしていると思います。それをどのように結実化していきますか。

<景気循環につなげる仕組みづくり>

物産戦略の拠点・平戸瀬戸市場 黒田市長 過去のしがらみを払拭し、平戸市の可能性というものを磨き上げて逆の論理でブランド化し、情報発信と絡めた戦略づくりをしたことで、ふるさと納税が伸びてきました。その成功の背景には若者の力があります。彼らを表に出して、『若い地域づくり』という魅力を発信することで、また、若い世代を呼び込みたいと思っています。人口減少については9月議会で協議し、対策本部を設置して、全国各地の事例などを参考に私が思い描く53メニューを各課におろしています。これをもとに予算編成をするようにと。もちろん、それは国や県の制度も活用しながら、ということになりますし、来年度できるもの、3~4年かかるもの、あるいは、できないものもあると思います。できない場合は、なぜ、できないか理由をあげる。今、それをフィードバックしている状況です。

 それと合わせて、一定の条例化も必要だと思います。行政がいくらやっても、笛吹けど踊らずということにもなりますので、市民の役割、事業者の役割、NPOや地域の役割を明記して、人口減少にきちんと向き合っていきます。予算配分も変わってくると思います。「この道路を整備してほしい」という声がたくさん寄せられますが、「その道路を整備すると子育てに役立つ」という裏付けが必要です。ただそこに住んでいる人が便利になるだけでは後回しになるということを住民の方に意識して欲しい。これまで通りにやっていて人口が減っているわけですから、どこかで変えないといけません。そういう意識付けもしたいなと思っています。

 一方で、『人口減少抑制条例』というものを作ったとしても、それはかけ声にしか過ぎません。(物産戦略で)活況となり、忙しくなっても事業者が「限界です」と言ったら困ります。設備投資をして事業拡大するか、人を雇って給料を増やすかです。これが景気循環、アベノミクスではないですか。忙しくなる仕組みを作っても、あとは事業者がそれに応えてくれないといけません。そして、雇用が生まれ、設備投資をすることで産業が活性化します。そうすれば人口が増えます。そこで、『人口減少抑制条例』と同時に、『中小企業振興条例』を策定中です。その元になる産業振興ビジョンも民間と一緒になって作り上げていっています。それは、いかに金融機関からお金を引き出すかです。目先の経営を回すだけではなく、ひと工夫ふた工夫で、銀行マンをウンと頷かせるような付加価値や戦略を作って下さい、そして、それをお手伝いしますと言っています。

<伝えるべき『地方の魅力』>

 ——感じていらっしゃる市長の楽しさとは。

 黒田市長 想いが具体的に形になるということです。昔、私は演劇をやっていましたが、たとえば、「まちづくり」というテーマで演劇をやるとすると、市長の立ち位置は、プロデューサーでありディレクターです。市長はメガホンをとり、観客を集める営業戦略の中心にいられます。主役は市民です。

 ——その舞台を通して伝えたいこととはなんですか。

 黒田市長 地方にこそ魅力があるという価値観を全国民が持ってもらえるような1つの役割を担えたらいいなと思っています。我々がなぜ都会に行くかといえば、すべての価値がそこにあると思っているからです。その価値のなかには、「安心・安全」はあまりないんですね。それでもリスクを背負って都会に行ったほうがいいと思い込んでいるし、感動がそこにあると思っている。それは感動を中央から発信しているからだと思います。たとえば、芸能界はほとんど東京に集まる傾向が強くて、行かないと仕事がないと思っている。一方で、今、面白いテレビ番組というのは地方をステージにしています。地方のドラマを全国民が共有することで、「ここにこそ日本人の原風景が、喜びや感動があった」となれば、流れは変わってくると思います。その意味で、メディアの力、責任は大きいと思います。

 ——今秋から地域密着型ニュースサイト「NETIB-NEWS長崎」を開設しましたが、ローカル・ジャーナリズムが地方になく、東京に集中していることを強く思います。インターネットがこれだけ普及した時代ですから、地方の情報発信力をもっと強めないといけませんね。

 黒田市長 情報の循環という問題が、人口減少にも大きく影響していると思います。田舎に価値がないと思わせたらいけません。「田舎は面白い!都会の人を呼んでこよう!」という若者を育てないと、どんどん人を取られっぱなしです。

  ——お忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました。長崎全体の活性化につながるような情報発信に努めていきたいと思います。

(了)

【聞き手・文:山下 康太】




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